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Technics(テクニクス) SP-10 SP-10mk2 SP-10mk3 修理・レストア専門ショップ

Technics (テクニクス) SP-10mk2 修理・オーバーホール S:DA7L02D002


Technics (テクニクス) SP-10mk2の修理にてお預かりしました。

症状
・高速回転

所見
・FGコイル配線切断
・各電子部品劣化
・各操作スイッチ接触不良発生

処置
・FGコイル巻き直し
・ゲルマニウムダイオード全数ショットキーバリアダイオードに交換
・制御回路基板チェナーダイオード1個交換
・チューブ内のリード線クリーニング、チューブ交換、リード線の腐食が進んでいた部品交換
・各操作スイッチ全数交換
・論理回路基板回路パターン補修
・駆動回路基板トランジスタ3個交換
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  中継回路基板裏付け抵抗器交換(3個)
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油
  機械調整
  電気調整
  48時間以上のエージング後、動作確認

FGコイルの線材が切断され、プラッタの回転情報が制御回路に入力されていない為、プラッタが高速回転していました。
この症状は、当製品では良く有る症例です。モーター駆動信号にノイズが混入し、モーターが微振動を起こしてコイルボビンの入線部で配線材が切断されます。
ただ、今回はこの微振動の様子が少し違っていました。
FGコイルを巻き直して実装し動作を確認するのですが、この時の回転ムラが大きく、0.1%程度有り、尚且つ微振動も発生しています。
モーター駆動信号を測定すると、電圧・波形共に各相でばらつきが大きく、変動しています。
分解時に不安要素が有りました。PGからモーター駆動信号を作るダイオードのリード線に、緑青らしき物が発生していました。そのダイオードを取り外した状態です。

このダイオードのVF値を測定すると、0.5Vから1.2Vとゲルマニウムダイオードとしては高い数値で、交換が必要です。
このダイオード、0A90が使用されていますが、今では入手が非常に難しくなっています。互換品として1N60を購入して測定すると、VF値が良くて0.4V程度、悪い物になると1.5V程度になっています。このダイオードも生産終了品ですので、劣化が始まっているのでしょうか。
これでは交換する意味が全く有りませんので、今現在生産されているショットキーバリアダイオードを入手し、VF値を測定すると、0.3V~0.4V付近で安定しています。
ゲルマニウム系からシリコン系への変更はあまり気が進まないのですが、他のゲルマニウムダイオードを探す手間を考えると、お客様を余計にお待たせする事になりますので、ショットキーバリアダイオードに交換して、オーバーホール作業を実施します。念の為、他のゲルマニウムダイオードを測定すると、同じ様な状態でしたので、全てのゲルマニウムダイオードをショットキーバリアダイオードに交換しています。
また、当製品はロットによってダイオード類のリード線にビニルチューブを被せてあります。今回の製品はビニルチューブ内のリード線に汚れが目立ちましたので、ビニルチューブを取り外してリード線をクリーニングし、腐食が進んでいる物は交換しています。取り外したビニルチューブです。

通常はもっと透明度が高いので、生産時に何らかの不手際が有ったのではないかと思います。
部品のリード線の腐食が進んでいたダイオードです。

上側が実装されていたダイオード、下が新品のダイオードです。
部品交換、回路基板のクリーニングを実施して動作確認を行います。
モーター駆動電圧の変動や電圧差は無くなり、微振動も治まっています。ゲルマニウムダイオードからショットキーバリアダイオードに交換した事による不具合も無く、回転ムラも0.01%程度で安定して動作しています。

論理回路基板上の電解コンデンサからの液漏れにより、回路パターンが破壊されていました。

凸凹になったレジストを剥がすと、この様な状態です。

取りあえずは繋がっていますが、このままでは不具合発生が確実なので、半田面にて修復を行っています。

この様な状況です。

各操作スイッチに接触不良が発生していましたので、全ての操作スイッチを交換しています。また、駆動回路基板のプリドライバトランジスタのhfeが極端に低下していましたので、3個のトランジスタを交換しています。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話:0863-53-9922
メール:vintageaudio@csis.jp
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Technics (テクニクス) SP-10mk3 修理・オーバーホール S:NE0AF10011


Technics (テクニクス) SP-10mk3の修理にてお預かりしました。

症状
・回転スタートしない

所見
・コンデンサ定数違い
・各電子部品劣化
・スピンドル軸及び軸受傷有り

処置
・コントロール回路基板フィルムコンデンサ定数純正定数に変更
・スピンドル軸及び軸受研磨
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  高分子電解コンデンサをフィルムコンデンサに全数交換
  無極性電解コンデンサの1部をフィルムコンデンサに交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  回転数切り替えリレー電子スイッチに全数交換
  制御用電源回路ダイオードブリッジ交換
  コントロールユニット側スタート/ストップスイッチ交換
  各回路基板はんだ付け全箇所吸い取り、再はんだ付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  電源用3端子レギュレータ全数交換
  ヒューズ全数交換
  裏付け部品を部品面に移動
  機構部クリーニング、注油
  機械調整
  電気調整
  24時間以上のエージング後、動作確認

今回は、珍しい症例です。
考え難い事ですが、コントロール回路基板のフィルムコンデンサに容量が正規と違う部品が取り付けられていました。生産時にコンデンサの容量を間違えて実装され、そのまま検査工程もパスして市場に出されたと思われます。
生産時には何とか正常動作していたのですが、経年劣化で各電子部品が劣化し、周辺の回路が容量違いをカバーし切れなくなって、今になって動作異常を発生させたのでしょう。
オーバーホール実施時に正常な容量に変更し、動作に問題が無い事を確認しています。

スピンドルと軸受に少しばかり大きな傷が入っていました。
スピンドルを手で回すと、ジョリジョリといった感触が伝わって来ます。
スピンドル下部先端は研磨で綺麗に仕上げましたが、側面は綺麗に研磨するとクリアランスが過大になって正常な回転は望めなくなりますので、スムースに回転する程度で留めています。
スピンドル下部先端の状態です。上が研磨前、下が研磨後です。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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Technics (テクニクス) SP-10mk3 修理・オーバーホール S:DK2623E008


Technics (テクニクス) SP-10mk3の修理にてお預かりしました。

症状
・電源入らず

所見
・制御用電源回路のダイオードブリッジショートによるヒューズ切れ
・スピンドル下部摩耗
・各電子部品劣化

処置
・スピンドル下部及び側面研磨
・電源・オペレーション回路基板、コントロール回路基板回路パターン修正3箇所
・ピッチコントロール表示LED交換
・コントロールユニット側各操作スイッチ全数交換
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  高分子電解コンデンサ全数フィルムコンデンサに交換
  無極性電解コンデンサ1部フィルムコンデンサに交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  制御回路用電源回路のダイオードブリッジ交換
  機械ブレーキ、ストロボ用電源トランジスタをヒートシンクに移設、交換
  電源用3端子レギュレータ全数交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  ヒューズ全数交換
  リードリレーを電子リレーに交換
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油、グリスアップ
  電気調整、機械調整
  24時間以上のエージング後動作確認

制御回路用電源回路のダイオードブリッジのショートにより、過電流となってヒューズが溶断し、電源が入らない状況でした。
通常オーバーホールメニューの交換対象部品になっていますので、オーバーホール時に該当ダイオードブリッジを交換しています。

オーバーホール作業実施中に、コントロール回路基板のひび割れが確認され、回路パターンに影響が及びそうでしたので、回路パターンの修正を行っています。また、電源・オペレーション回路基板上の裏付け電解コンデンサからの液漏れにより、回路パターンの変色が確認できました。回路パターンの研磨を行った後、半田にてパターン修正を行っています。
回路基板のひび割れ部分です。

回路パターン修正後です。
上が回路基板のひび割れ部分、下が電源・オペレーション回路基板上の裏付け電解コンデンサからの液漏れ部分です。

スピンドルの先端に異常摩耗が発生していました。また、側面にも薄い傷が入っています。


先端部、側面共に研磨を実施し、問題の無いレベルの仕上げています。


側面の傷は、軽くこすった様な状態でしたが、このまま放っておくと傷が深くなる可能性が有りますので、早めに研磨を実施しています。

ピッチコントロール表示用の7セグメントLEDの一部が点灯していなかった為、同LEDを中古品と交換しています。

コントロールユニット側各操作スイッチに接触不良が確認された為、このスイッチを全数交換しています。

これは驚いたのですが、最終仕上げ中にプラッタより水分と思われる液体が、バランス調整用の穴から染み出て来ました。液体が流入した理由は不明ですが、一晩中、プラッタを縦に置いて、当穴から流しだしています。これにより、回転ムラが0.008%程度に落ち着いています。
少し見難いですが、プラッタを立てた状態です。バランス調整穴から液体が漏れているのがお分かりかと思います。1度抜いた後ですので量は少ないですが、全部でお猪口半分程度の量かと思います。

メンテナンス実施中に若干Wow/Flutterが通常よりも悪い状況でした。悪いと行っても、0.01%前後ですから、規格には入っているのですが、この製品の平均値は、0.008%(33rpm時)程度ですから、少し気になっていました。この液体が悪さをしていたのだと思います。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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Technics (テクニクス) SL-01 修理・オーバーホール S:DA7331B 020


Technics (テクニクス) SL-01の修理にてお預かりしました。

症状
・電源入らず

所見
・各電子部品の劣化により、電源ヒューズ切れ
・電解コンデンサの液漏れによる回路パターン損傷

処置
・回路パターン修正3か所
・ダイオード2個交換
・トランジスタ19個交換
・スルーホールのニアショートが確認された為、スルーホール取り外し62か所
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  タンタルコンデンサ全数フィルムコンデンサに交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  各操作スイッチ全数交換
  24時間以上のエージング後、動作確認

電解コンデンサの液漏れによる回路パターンの損傷と、各電子部品の劣化により過電流が流れ、電源ヒューズが溶断していました。
電解コンデンサの電解液漏れが発生し、回路パターンが損傷を受けていた箇所です。

この部分のレジストを剥がすと、回路パターンがボロボロに酸化していて、レジストと一緒に無くなりました。その様子です。

スルーホールも酸化していますので、部品穴よりも一回り太いドリル刃で穴を大きくし、半田面にて回路パターンの修復を行っています。

オーバーホール作業中、部品交換と半田付けの修正を行って回路基板のクリーニングが完了した後、動作確認を行います。
この時、異変が発生しました。
電源ヒューズが溶断する事は無く、サーボの調整は問題無く出来るのですが、安定性に欠け、電子ブレーキが効きません。
ブレーキ調整用の半固定抵抗器を取り外した時に一抹の不安が有りました。半固定抵抗器が回し切りになっていたのです。その不安が的中してしまいました。
時々、頻度は低いのですが交換した部品が悪い事も有りますので、チェックを行いながら再度交換しましたが変化は有りません。
半導体の全数チェックを行い、少しでも特性に問題が有った物は交換します。チェック時に部品を取り外しますので、その際にランド間の抵抗値を確認します。この段階で、トランジスタ19個交換、スルーホールにニアショートが確認できたのが62箇所。スルーホール間のニアショートは、スルーホールを取り除き、部品のリード線を基板の両面で半田付けしています。
それでも不具合は解消しません。
固定抵抗器の片側を全部回路基板から外し、抵抗値を実測しましたが問題は有りません。
回路基板と回路図を照らし合わせ、導通を確認しましたが問題は有りません。
次に何を確認すれば良いのかを回路基板を見ながら考えていた時、1個のダイオードに目が行きました。このダイオード、シリコンダイオードとゲルマニウムダイオードを直列に繋ぎ、1個のダイオードとして動作させています。
この部品も動作チェックを行い、動作中の電圧にも問題は無かった部品です。
でも、何か気持ち悪い。
手持ちにどちらのダイオードも有りましたので、組み合わせて交換します。
何と、回転は安定し、電子ブレーキも正常に動作するようになりました。元の部品を取り付けると、不具合が再発します。
この組み合わせたダイオードが悪者でした。

回路基板を再クリーニングし、防湿コーティングを施した後組み立てを行い、エージングを実施します。
問題無く動作していますので、やっとお客様に返却出来ます。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

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Technics (テクニクス) SP-10mk2(改)修理・オーバーホール S:不明


Technics (テクニクス) SP-10mk2改造品の修理にてお預かりしました。

症状
・高速回転
・他、加振にて色々な異常動作発生

所見
・各部の半田付け不良
・各電子部品の劣化
・ローター固定金具取付ねじカバー未固定
・ブレーキソレノイド取り付けビス非純正品の為、コイルと接触
・ビス緩み箇所多数
・DDモーター取付位置ずれ
・電源ユニット内部AC100V配線材2mm径の屋内配線用の単線使用
・機械ブレーキ効き悪い
・交換部品実装方法悪い
・回転時プラッタ微振動発生

処置
・半田付け全箇所半田吸い取り後再半田付け(盛り半田を実施している箇所のみ)
・半導体全数動作チェック・不具合品交換(トランジスタ22個、FET4個、チェナーダイオード2個交換)
・ストロボ交換
・各回路基板取り付けねじ交換・樹脂ワッシャ追加
・電源ユニット内部AC100V配線 単線2mmから1.25スケア撚り線に交換
・ブレーキソレノイド取り付けビス純正品に交換
・ステーター外周600番ペーパーにて研磨
・DDモーター本体取付位置純正位置に変更
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換(1部フィルムコンデンサに変更)
  フィルムコンデンサ全数交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油、グリスアップ
  電気調整、機械調整
  48時間以上のエージング後、動作確認

Yahoo オークションにて、2017年1月に入手された製品です。
売り主が手を入れたのかは不明ですが、外観はキレイに再処理され、電源ユニットはハンマートンにて塗装されています。また、電源コードも脱着式に変更されています。
見た目は非常に綺麗なのですが、内部は最悪の状態でした。
特に半田付けが駄目で、盛り半田をやられているのですが、その殆どがイモはんだ状態でした。その一部分です。


また、半田の色から判断すると、ひょっとしたら無鉛半田を使用されているのではないかと思います。
生産時には有鉛半田を使用していますので、半田にクラックが入って当然です。半田の状態も最悪。この状態で、今までよく動作していたものです。
オーバーホール時に全箇所の半田を吸い取り、再半田付けを実施しています。
また、この様な状態ですので、回路図には無い回路が出来ている可能性が高い為、今回は半導体の全数動作測定を行い、異常が有る物は新品に交換しています。結局、トランジスタ22個、FET4個、チェナーダイオード2個を交換しています。

SP-10mk2の回路基板材料は2種類有ります。ベーク基板とガラスエポキシ基板です。
初期の製品には、ガラスエポキシ基板が使用されていますが、今回の製品はベーク基板でした。
通常であれば、基板の取り付けに使用されているビスは、3×6mmのナベネジに樹脂ワッシャを入れた物が使用されていますが、今回は、3×6mmのスプリングワッシャ付きのセットビスでした。
この組み合わせですと、基板の取り付け穴付近から徐々に亀裂が入ります。
今の所、亀裂はまだ入っていませんでしたので、純正の組み合わせで組み立てています。

部品交換、半田修正、基板クリーニングが終わり、一度組み立てて動作チェックを行いますが、この時、トラブルが発生しました。
通電時に32Vラインのヒューズがじんわりと溶断します。瞬間的に溶断するのではないので、電源ラインのショートではありません。
トラブルシューティングを始めます。中継回路基板だけを残し、他の回路基板を取り外しても解消しません。そこで、ふと思い出したのがブレーキソレノイドを固定しているネジです。
取り付け位置も少しずらされていて、しっかりとビスが締まっていませんでしたので、組立時に通常の位置に動かしてネジをしっかりと締めています。
分解時にネジの使用場所が純正とは違っていたので、まさかと思いながらブレーキソレノイドを固定しているビスを確認すると、純正よりも長いビスが使用されていました。
ネジが長くなることによって、ソレノイドのコイル部分に、微妙な抵抗値を持って接触していました。
今まで、締める力が緩かったので、接触を免れていたのでしょう。純正のネジに交換すると、この問題は無くなりました。コイルへの接触は、巻線の保護用に巻いてあるテープによって緩和されていたようで、コイル巻線への影響は有りませんでした。不幸中の幸いです。

DDモーターのローターの外周がピカピカに磨かれていました。磨いた後処理に手を抜いた様で、ブレーキバンドに磨きカスが多量に付着しています。
ここまで磨くと、表面がツルツルになり、ブレーキの効きに影響が出ます。
ブレーキバンドが当たる箇所を600番のペーパーで少し面を荒らし、ブレーキバンドの洗浄を行っています。

その他、DDモーターの取り付け位置が90度ずれていたり、ステーター固定金具を固定するビスのカバーが固定されていなかったり、他の箇所のネジが緩んでいたりと、今まで私が着手した製品の中で、最悪の1台でした。

Yahooオークションで古い製品を入手される時には、未改造品が良いかと思います。
また、メンテナンス済みと表記されている物は、どこまでの作業を行っているのかを問い合わせる方が懸命かと思います。

今回のメンテナンスにて、加振による異常動作も無くなりました。今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

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Technics (テクニクス) SP-10mk2 オーバーホール S:DA7927B018P


Technics (テクニクス) SP-10mk2のオーバーホールにてお預かりしました。

所見
・各電子部品の劣化
・ブレーキソレノイド動作遅い

処置
・中継回路基板改修導入
・各操作スイッチ全数交換
・駆動回路基板トランジスタ・ダイオード全数交換(スイッチングダイオード除く)
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  ヒューズ全数交換
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油
  電気調整、機械調整
  24時間以上のエージング後動作確認

購入後、長期に渡ってお使いになられていて、これからも安定してご使用になりたいとの事でオーバーホールを実施させて頂きました。

各電子部品の劣化が確認されて不安定な状態でしたが、オーバーホールを実施した事で、安定して動作しています。

ただ、今回はすんなりと作業が完了しませんでした。
メンテナンスが完了し、出荷直前の動作チェックで問題が見つかりました。
回転スタートして10分程度経過すると、回転が小刻みに左右に揺れています。
このトラブルシューティングに、1週間程度費やしてしまいました。
駆動回路基板が犯人でした。
モーター駆動信号がコントロール回路基板から送られてきて、その信号がモーター駆動回路で4分割されてモーター駆動回路に送られます。この4本の信号の内、1本に異常発振が見られます。
この回路の部品に問題が有るはずです。この回路に直に繋がっているトランジスタを交換すると治まったのですが、暫くエージングを行うと時々パルス状のノイズが混入し、回転が瞬間的に不安定になります。
冷やしても温めても同じ症状が発生しますので、温度特性ではありません。
結局、この回路基板の半導体を全数交換する事になりました。(スイッチングダイオードは除く)
取り外した半導体は、全てチェックを行いましたが全て問題は有りません。
何故この様な症状が発生したのかは確認できませんでしたが、交換後は安定して動作しています。
オーバーホール後に少し弱っている半導体の不具合が顕著に出て、動作が不安定になる事は有りますが、この様な現象は、初めてですね。
お客様にお返しする前に発見できた事は幸いでした。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

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LUXMAN (ラックスマン) DP121 オーバーホール S:G7903769


LUXMAN (ラックスマン) DP121のオーバーホールにてお預かりしました。

所見
・各電子部品の劣化による若干の回転ムラ発生

処置
・回転数切り替えスイッチ交換
・回転数切り替え用マグネット着磁
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  タンタルコンデンサ全数交換(1部フィルムコンデンサに交換)
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油
  電気調整
  24時間以上のエージング後動作確認

各電子部品の劣化が進み、若干の回転ムラが発生していました。オーバーホールを実施した事で、回転ムラは収まっています。

この製品には、テクニクスのSP-10に用いられているDDモーターが使用されています。
ただ、そのまま使用されているのでは無くて、変更されている箇所が有ります。
電源回路とストロボ点灯回路はLUXMANオリジナル品が使用され、ストロボもネオン管からブラックライトに変更されています。
モーターの大きな違いは、スピンドルの直径がSP-10用の物より細くなっている点です。
どちらが良いのかは断言できませんが、見た感じでは、SP-10の方がしっかりとした軸に見えてしまいます。

一通りのオーバーホール作業を終わらせ、エージング中に問題が発生しました。
エージング中に何かの拍子で回転ムラが発生し、45rpmでエージングを行っていると、回転スタートから1時間程で回転が止まってしまいました。
この製品は、回転数の切り替えにリードスイッチを使用しています。このリードスイッチが悪さをしていました。
33rpm用のスイッチには問題が有りませんでしたが、45rpm用のスイッチを取り外して磁石を近づけると暫くの時間は導通するのですが、突然導通が無くなってしまいます。軽くショックを与えれば回復するのですが、同じ事が繰り返し発生していました。
33rpm用、45rpm用の両方のスイッチを交換してエージングを再度行い、45rpmでの回転停止は治まりましたが、時々現れる回転ムラは治まりません。
スイッチの取り付け位置が悪いのかと調整を行いましたが、完全に無くす事は出来ませんでした。
理論的にはあまり考えられないのですが、スイッチ動作用のマグネットの磁力の低下を疑い、着磁を行って再度エージングを行うと、不自然な回転ムラは解消しました。
あまり体験出来ない現象ですね。

今回のオーバーホールにて、今後長期間に渡り、安定してこの製品の良さを発揮するでしょう。

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LUXMAN (ラックスマン) PD121A オーバーホール S:C0600340


LUXMAN (ラックスマン) PD121Aのオーバーホールにてお預かりしました。

所見
・各電子部品の劣化

処置
オーバーホール
・電解コンデンサ全数交換
・フィルムコンデンサ全数交換
・調整用半固定抵抗器全数交換
・小信号トランジスタ全数交換
・各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
・各回路基板クリーニング、防湿コーティング
・リレー周辺配線手直し
・電源回路パワートランジスタ2個交換
・電気調整
・24時間以上のエージング後、動作確認

少し珍しいLUXMAN PD121Aです。
PD121との違いは、DDモーターユニットが日本サーボ製のクオーツロック制御に変更され、それと共に電源ユニットやストロボ点灯ユニットが変更されています。
見た目は殆ど変わらない2台ですが、中身は全くの別物です。

PD121は、Technics SP-10用のモーターに機構的な変更を加えた物で、コアに線材を巻いていますが、PD121Aはコアレスになっています。
本製品のDDモーターステータ部です。


底から見た状態です。モーターユニットを組み上げると、この部分は全く見えなくなります。
コアレスモーターを使うと回転トルクが基本的に弱くなりますが、電源を±両電源にして補っています。

生産後、長期の年月を経ていますので電子部品の劣化が進み、回転ムラが少しばかり多くなっています。この製品のストロボには各回転数の数字が書かれていますが、それが少しユラユラと揺れる程度です。
オーバーホイール後にはこの回転ムラが治まり、ストロボが殆ど静止して見えます。

当店に入荷する以前に修理を実施された跡が有りました。
信頼性を低下させる作業が2件有りました。
まず、電源回路のパワートランジスタの実装方法です。
修理時の部品交換は、壊れた部品を同じ、又は同等品の部品と交換しますが、この製品に使われていたトランジスタは、リード線が根本付近で継ぎ足されていました。
その様子です。


上が実装状態、下が回路基板から取り外した状態です。
しっかりと半田付けがされていますが、これは不安です。今回のオーバーホールにて、どちらも新品に交換しています。
2件目は、リレー周辺の配線です。

この様な状態でしたので、手直しを行っています。

どちらも大きい問題では無いと思いますが、やはり少しばかり気になりますね。

今回のオーバーホールにて、今後長期間に渡り、安定してこの製品の良さを発揮するでしょう。

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Technics (テクニクス) SL-1000mk3 オーバーホール S:DK2726E015


Technics (テクニクス) SL-1000mk3のオーバーホールにてお預かりしました。

所見
・回転トルク弱い 
・回転立ち上がり遅い 
・停止が遅い 
・加振にて動作異常
・回転時プラッタ振動発生 
・回転時モーター部から異音発生 
・スピンドル下部軸受接触部面荒れ
・本体速度調整ボタンのネジ位置調整ズレ

処置
・スピンドル下部軸受交換 
・スピンドル下部軸受接触部研磨 
・スピンドル側面研磨
・各操作スイッチ全数交換 
・本体速度切替ボタン部ネジ位置調整
・ヒューズ回路基板配線接続用スタッドピン研磨
・キャビネットダストカバーヒンジ分解清掃、グリスアップ、調整ネジ部圧入ナット取り付け
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  高分子電解コンデンサ使用部フィルムコンデンサに全数交換
   (普通の電解コンデンサに交換されていた為)
  電源用3端子レギュレータ全数交換
  制御回路用電源回路ダイオードブリッジ交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  ヒューズ全数交換
  リレー交換(電子リレー使用)
  トランジスタ全数性能簡易チェック
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油
  電気調整
  機械調整
  48時間以上のエージング後動作チェック

2006年6月に、某修理工房さんでメンテナンスを受けていた製品です。
作業前チェックで、異常動作に気が付きました。
回転スタートが異常に遅く、定速回転するまでスタートから約1.5秒かかります。また、停止時にも約2秒程度かかっています。回転時のトルクも非常に弱く、指1本で簡単に回転数が低下し、回転時にモーターから異音が出て振動しています。
この製品の能力が全く発揮されていません。
コントロールユニットに少し加振をすると、勝手にスタート・ストップしたり電源が切れたりと、色々な異常動作をします。
以前、同じ症状を経験した事が有ります。同じ修理工房さんがメンテナンスを手がけておられる製品でした。こちらの製品です。

http://sp-10.jp/?p=6331

同じ時期に同じお客様の製品のメンテナンスを実施されていますが、全く同じミステイクをしています。
当店入荷時のモーター駆動波形です。上から33rpm、45rpm、78rpmです。



盛大にパルスが混入しています。これが今回の回転異常の犯人です。
モーター駆動回路の整流回路で、電解コンデンサの取付ミスが有りました。同じ回路パターン上に電解コンデンサの両方のリード線が半田付けされています。


基板の表裏を比較して頂ければご理解頂けると思いますが、同じ回路パターン上に電解コンデンサの両方のリード線が取り付けられています。
これではコンデンサがただの飾りで、全く機能していません。故障を作っている様なものです。
オーバーホール後のモーター駆動波形です。上から33rpm、45rpm、78rpmです。



電源回路が正常に動作する様になりましたので、正常な波形に戻っています。

半田付けの状態が悪く、半田付け不良箇所が多々有りました。
その一例ですが、ヒューズ回路基板の配線部分を載せます。

この部分の配線は、ラッピング手法で行われています。この部分の接触不良を防止する為に半田を流しているのですが、配線材を手で解くと、半田ごてを使わなくても解けました。解いた跡のです。

全ての端子で発生していたのではありませんが、この部分の7箇所のうち4箇所で発生していました。
この半田付け不良が原因なのかは不明ですが、解いた後、半田を吸い取って新しい半田を乗せようとしても半田が綺麗に乗りません。
端子を全部取り外して、表面を研磨した後半田を乗せています。

また、同じ回路基板の配線で問題が有りました。

ヒューズ回路基板から電源スイッチに繋がっている配線です。ラッピングされていますが、半田は流されていません。この配線を触ると簡単に回転します。もしやと思い、配線を持ち上げると、そのままの形でピンから抜けました。加振にて電源が切れるのは、これが原因だと思います。

一度ラッピングを解き、再ラッピングして半田を流そうと思われたのでしょう。半田を流し込むのを忘れられたのですね。

スピンドルの潤滑剤に何を使用されたのか不明ですが、スピンドル下部軸受との接触面で異常摩耗が発生していました。
スピンドル軸の先端と軸受の状態です。


このままでは異常摩耗が進み、正常な回転が望めなくなりますので、スピンドル軸先端の研磨と、軸受の交換を行っています。
研磨後のスピンドル先端です。

完全な鏡面では有りませんが、今の当店の設備ではここまでです。
また、スピンドル側面にも細かい傷が多量に入っていましたので、研磨を行っています。
スピンドル下部軸受を分解した時の状況です。



各操作スイッチに接触不良が認められましたので、各スイッチを全数交換しています。
このスイッチの交換時にも一波乱が有りました。
本体の速度切替スイッチですが、スイッチを押しているボタンのネジを無駄に回しているので、正常にスイッチが動作しません。ネジロックにしているのだと思いますが、ネジの周囲に塗料が塗られていて、ネジ穴にも入り込んでいます。ネジを回そうとしても、レンチがネジ穴に入りません。周りはプラスチックなので溶剤を使うのはためらいます。先の細い針で少しづつ削り取り、やっとネジを回す事が出来ました。
スイッチ交換後、ネジを取り外し、クリーニングを行ってネジロック剤を塗布して取り付け、位置調整を行っています。
スイッチを押す部分です。

因みに、このスイッチを押すネジ位置の調整を行ったのは2回目です。前回も他の修理屋さんが触った製品のオーバーホールを行った時でした。このネジ位置調整、よほどの事が無い限り不要です。何が有って調整が必要になったのか、周辺の部品の状態を見ても不明です。スイッチの接触不良を部品交換しないで何とか誤魔化そうとしたのでしょうか?

前回のメンテナンスで電解コンデンサは全数交換されていますが、実装に問題が有る為と今後の安定動作に不安が有りましたので、当店のオーバーホールメニューにてオーバーホールを実施しています。

お客様のご要望で、ダストカバーのヒンジ部のトルク調整用ネジ山の補修を行いました。
この部分は、少し強い力が加わりますので、ネジ穴の破損が多く発生しています。アルミダイカストの2mm程度の厚みの所にM5のネジを切っていますので、仕方が無い所です。
厚さは変えられませんので、ネジ穴を大きくし、圧入ナットを取り付けています。
上が作業前、下が作業後です。

通常のオーバーホールに使う時間よりも、不具合の解消に時間が掛かってしましました。オーバーホール実施後は加振での動作異常は無くなり、回転時の振動が無くなり、回転トルクも復活し、スタート・ストップの時間も正常に戻っています。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話:0863-53-9922
メール:vintageaudio@csis.jp
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Technics (テクニクス) SP-10mk3 修理・オーバーホール S:NE0AF10003


Technics (テクニクス) SP-10mk3の修理にてお預かりしました。
今回は、回転中に突然停止する・回転停止に時間がかかる・停止時に逆回転するとの症状です。

所見
・各電子部品の劣化
・スピンドル下部軸受破損
・機械ブレーキ調整甘い

処置
・スピンドル下部軸受交換
・電源コード接続部手直し
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換(高分子電解コンデンサはフィルムコンデンサに交換)
  フィルムコンデンサ全数交換
  3端子レギュレータ全数交換
  制御回路用電源回路ダイオードブリッジ交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  ヒューズ全数交換
  リレー全数交換(電子リレー使用)
  小信号トランジスタ12個交換
  コントロールユニット側スタート・ストップスイッチ交換
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油
  電気調整
  機械調整
  24時間以上のエージング後動作確認

各電子部品の劣化と、機械ブレーキ用のソレノイドの取り付け位置が通常と違う位置に調整されていました。

制御回路用電源の整流回路に使われているダイオードブリッジの内部で、ダイオード素子が2個壊れていて、半波整流になっていました。それに加え、平滑用電解コンデンサの劣化が有り、制御回路用電源が正常に供給されていませんでした。
制御用電源回路の清流出力波形です。上がオーバーホール前、下がオーバーホール後です。


時間軸、電圧軸共に同じですので、オーバーホール前後の違いが見て取れると思います。
+5Vラインはあまり影響を受けませんが、+12Vラインはかなり影響を受けています。
その様子です。

リップルの谷の部分で、電圧降下しているのが分かります。
大した電圧降下ではありませんが、この測定はケースを外した状態で行っています。ケーシングされた状態で使用していると、内部は冬場でも40度を超える事が有りますので、この電圧降下は、もっと酷い状態になっていると思われます。
オーバーホール後は、24時間以上の連続運転でも異常は見られません。

回路基板のハンダを吸い取る時に、トランジスタの簡易特性チェックとリード線の状態の確認を行うのですが、通常であれば全く問題は無く、そのまま同じ場所にきっちりと実装するのですが、今回はhfeの低下やリニアリティの劣化が認められた物が12個有りました。このトランジスタは新品に交換しています。

スピンドルの下部軸受が割れていました。この様な状態です。

割れた状態で使用されていましたので、摩耗も進んでいます。
この様な状態でも、回転ムラは、0.015%に入っていましたので驚きです。
この軸受を当店オリジナルの部品と交換し、スピンドルの軸受接触部に少し傷が有りましたので、研磨を行い、傷を無くしています。
オーバーホール後に回転ムラを測定するのですが、33rpmで0.001%、45rpmで0.0008%、78rpmで0.0004%でした。(FG直読法、RMS値)
測定限界ギリギリですね。測定方法を間違えたかと思い、再測定を行いましたが、結果は変わりません。誤差を考えても、ここまで良いのは初めてです。個体差だと思いますが、こんな特性の製品も有るのですね。

機械ブレーキソレノイドの取り付け位置が悪く、機械ブレーキが正常に機能していませんでした。
通常であれば、停止スイッチを押したタイミングとほぼ同時に停止しますが、今回は、2秒弱程度回転します。時には、45度程度逆回転します。
電子ブレーキのかけ過ぎと、機械ブレーキの調整が甘い時に、この様な現象が発生します。
ブレーキソレノイドが通常よりもかなりプランジャーの動作範囲を狭める位置にずれて取り付けられています。このままでは、いくら調整しても、機械ブレーキはしっかりと効きません。
プランジャーの動作範囲を広げる位置にソレノイドを取り付け、電子ブレーキの効きを正常になる様に調整した後、機械ブレーキの調整を行っています。これにより、正常に停止する様になりました。
ただ、何故この位置にソレノイドを固定したのでしょうか。ネジの跡も、この場所だけに付いています。
多分、ロットにより違いが有るのだと思います。今回と同じ位置にソレノイドが固定されている事が、今までに何回か有りました。
工場出荷時には正常に動作していたと思います。ブレーキシューの経年変化でブレーキの効きが悪化したのでしょうか。ただ、今回と同じ作業を行うと、正常に戻ります。
本製品の不思議の一つです。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
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