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2011-10

Technics(テクニクス) SP-10 mk3 修理・オーバーホール S:AV7320F029


Technics(テクニクス) SP-10 mk3の修理でお預かりしました。

症状
 回転不安定(電源ON直後。暖まれば安定する。
 ストロボランプちらつき。33/45rpmで顕著。78rpmでは異常なし
 ブレーキ甘い
 ピッチコントロール動作せず。電源ON時に+0.2%の表示する時有り。その後、-ボタンで0.0%表示
 スタートボタン押しても回転スタートしない時有り

所見
 コントロール回路用整流回路のコンデンサ容量抜け
 ピッチコントロールIC不良
 機械ブレーキ調整ずれ、電子ブレーキ動作不良

処置
 オーバーホール
   電解コンデンサ全交換(オーディオグレード用使用)
   フィルムコンデンサ全交換
   リレー交換(半導体リレー使用)
   全半固定抵抗交換
   スピンドル部クリーニング・グリスアップ
   メカニズム部クリーニング・グリスアップ・注油
   半田付け全箇所吸い取り・再半田付け
   プリント基板クリーニング・コーティング
   電気調整・メカニズム調整
   エージング
   ピッチコントロールIC交換
 

制御回路用の電源回路で、不具合が発生していました。整流用のコンデンサが容量抜けを起こし、リップルが盛大に発生していました。下の写真が、修理前の整流波形です。

出力電圧20Vの電源回路で、リップルが15V発生しています。完全なコンデンサの容量抜けです。これでは、この電源に繋がる回路は、正常動作しません。
下の写真が、修理後の正常な波形です。

リップルが3V程度に改善されています。後段の定電圧電源回路が正常に動作し、各回路に正常な電源が供給されます。

この整流回路に使用されているブリッジダイオードが、経年劣化で動作時に高温になり、すぐ隣に実装されているコンデンサの劣化を、急速に進めたものと思われます。
このブリッジダイオードですが、定格ぎりぎりで使用されています。その為、劣化が他の部品と比べて早く進み、高温の熱を発するようになります。そうなると、周辺の部品劣化が進み、すぐ近くのコンデンサに、悪影響を与えます。
また、電源が正常に供給されない為に、この電源回路に繋がっている部品の劣化も早めることになります。今回、ピッチコントロールICが不良になっていますが、この影響が無かったとは言えないと思います。
今回のオーバーホールで、このブリッジダイオードも交換しています。ただ、純正品では同じ事が起こる可能性が高いので、容量を大きくしています。

コンデンサの容量抜けは、経年劣化で発生します。特に、電解コンデンサは顕著です。電解コンデンサが劣化すると、内部の電解液が外部に漏れ、リード線を伝わってプリント基板に達します。電解液が周辺の部品やプリント基板の銅箔(回路パターン)を腐食させます。部品が腐食されたのでしたら、その部品を交換すれば良いのですが、プリント基板の銅箔を腐食させた場合、その銅箔をメッキ線で修正しますが、修正不可能な場合も有ります。そうなると基板ごと交換するのですが、本製品の様な、製造後、年月が多く経過した製品には、交換する基板をメーカーが供給出来ません。修理不能です。
電解コンデンサは、使用しないのが一番なのですが、現在の技術では、使用しないと電子回路が組めません。最近の部品では、電解液を出来るだけ漏れないように作って有りますが、やはり、漏れる事が有ります。SP-10 mk3が生産された時期の電解コンデンサは、そのあたりが不完全ですので、早めの交換が必要です。

ブレーキが甘い件は、ターンテーブルを駆動・制御している回路の部品劣化が進んでいたのと、機械ブレーキの調整が甘くなっていました。今回のオーバーホールで、劣化した部品の交換と、機械ブレーキの調整を行い、正常に戻っています。

発売されて30年程度経過している商品です。今回の様な部品の劣化は、どの製品にも起こっています。機械的には、しっかりと作られた製品ですのでまだまだ大丈夫ですが、やはり、油脂類の劣化が発生します。故障してから修理してオーバーホールも考えられますが、修理費用が非常に高額になったり、最悪の場合、修理不能になる可能性も有ります。買い換えも有りますが、SP-10 mk3と同じ性能のターンテーブルは、非常に高額です。

長期に渡り、安定してご使用いただくには、メンテナンスは重要です。早めのオーバーホールをお勧めします。

当店ではSP-10mk3の今後も安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10mk3が故障してお困りの方、どうも調子が悪いとお感じの方、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の購入・修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話:08635-5-1133
:メール:ootsuka@giga.ocn.ne.jp
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