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2015-08

Technics (テクニクス) SP-10mk2A 修理・オーバーホール S:DA3323A035


Technics (テクニクス) SP-10mk2Aの修理にてお預かりしました。

症状
・回転時異音(オーナー様ご指摘内容)
・回転ムラ発生

所見
・プラッタ裏防振ゴム剥がれ
・各電子部品劣化

処置
・プラッタ裏防振ゴム貼り付け
・ドライブ用トランジスタ2個3組 計6個交換
・プリドライブ用トランジスタ3個交換
・OP AMP IC 1個交換
・回路基板ショートジャンパー線全数交換
・オーバーホール
  オーバーホール内容
   電解コンデンサ全数交換(オーディオグレード用使用)
   フィルムコンデンサ全数交換
   リレー交換(半導体リレー使用)
   調整用半固定抵抗器全数交換
   ヒューズ全数交換
   回路基板半田付け全箇所吸い取り・再半田付け
   回路基板クリーニング・防湿コーティング
   機構部クリーニング・注油
   電気調整・機械調整
   24時間エージング

プラッタ裏側に張り付けてある防振ゴムが剥がれ、本体に接触する事で異音が発生していました。
SP-10mk2や当製品では良く有る内容です。
接着剤で張り付けてありますので、劣化した接着剤を取り除き、再度接着しています。

オーバーホール作業の部品交換後の動作試験時に、回転時の振動が発生しました。
回路基板上のショートジャンパー線の一部にメッキ剥がれが発生していましたので、ショートジャンパー線を全て交換しています。
ドライバICに基準電圧を供給しているOP AMP IC からノイズが発生していましたので、交換しています。
ドライバ用トランジスタとプリドライブトランジスタの動作異常が認められましたので、計9個のトランジスタを交換しています。

オーバーホールと上記部品の交換で、回転ムラが規格内に収まりました。
回転ムラの測定値です。
オーバーホール前 0.08%/33rpm 0.102%/45rpm 0.019%/78rpm
オーバーホール後 0.013%/33rpm 0.009%/45rpm 0.012%/78rpm
以上のように改善されています。

今回のオーバーホールにて、今後長期に渡り安定動作する様になります。また、各回路が正常に動作しますので、この製品が持っている性能が発揮出来ます。製品を活かすも殺すも、オーナー様次第です。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話は対応できない時が多いので、メールにてご連絡を頂ければと思います。
電話:08636-3-0808
メール:vintageaudio@csis.jp
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Technics (テクニクス) SP-10mk3 修理・オーバーホール S:AF6116B011


Technics (テクニクス) SP-10mk3の修理にてお預かりしました。
7年程前に、他店にて修理実績が有ります。

症状
・回転中停止(お客様ご指摘内容)
・回転中うなり音発生
・回転中トルク弱い
・コントロールユニット側START/STOPボタン操作性悪い
・スタート/ストップの動作が遅い
・各回路基板加振にて動作不具合
・Wow/Flutter異常(0.15%以上)

所見
・電解コンデンサ逆挿入(1カ所)
・電解コンデンサ実装ミス(1カ所)
・コントロールユニット側START/STOPボタン取り付けミス
・半田付け不具合箇所多数
・スピンドル 軸・軸受共に傷多数
・PGコアにリング接触
・制御回路用電源回路の整流ブリッジダイオード不具合

処置
・PGコア研磨
・駆動用IC交換
・駆動回路基板3端子レギュレータ交換(12V/5V共)
・オーバーホール
  オーバーホール内容
   電解コンデンサ全数交換(オーディオグレード用使用)
   フィルムコンデンサ全数交換
   制御回路用電源回路ダイオードブリッジ交換
   リレー交換(半導体リレー使用)
   調整用半固定抵抗器全数交換
   ヒューズ全数交換
   回路基板半田付け全箇所吸い取り・再半田付け
   回路基板基板クリーニング・防湿コーティング
   機構部クリーニング・注油
   電気調整・機械調整
   裏付け部品部品面に移設
   24時間エージング

他店にて7年程前にメンテナンスを受けている製品です。
インターネットで検索すると、上位に表示されるお店です。
色々有って、今回はオーバーホールを実施させて頂きました。

現状確認時、作業をスタートして直にスタート・ストップの動作が異常に遅いのが確認出来ました。回転時にプラッタに耳を近づけると、今まで聞いた事の無いうなり音がモーターから聞こえてきます。回転数を切り替えても音質は変化しません。回転中のトルクも、かなり低くなっています。
また、各回路基板に少し加振すると、色々な異常動作を起こします。

モーターの駆動信号を確認すると、とんでもないパルスが混入しています。
上から、33rpm、45rpm、78rpmです。



120Hzのパルスです。
電源回路の異常が考えられますので、駆動用電源回路を確認しました。
+32Vラインにパルスが混入しています。この様なパルスです。

整流回路の電解コンデンサがパンクしていれば、この様なパルスが乗って来ますので、整流回路の出力を確認しました。この様な状況です。

50Vくらいの電圧でリップルが25V発生しています。整流回路の電解コンデンサが全く機能していない状態です。
ふと考えました。7年前にメンテナンスを実施して電解コンデンサは交換されています。7年でここまで劣化するのでしょうか?
実装されている電解コンデンサを確認します。私は目を疑いました。
何と、電解コンデンサの両極のリード線が、同じ回路パターン上に取り付けられています。部品面と半田面です。


部品面からでは分かりませんが、半田面を見るとお分かり頂けると思います。
半田面の写真の赤丸・黒丸は、分かり易い様に加工しています。
本来では黒丸同士の間に部品を実装します。そうしないと、回路が形成されません。今回の製品は、上側の黒丸と赤丸の間に部品が実装されていました。どう見ても同じ回路パターンです。これでは、部品がただの飾りで、全く機能しません。全くの初心者がやる様な実装ミスです。作業後の確認作業を行っていれば、この様なミスは防げるのですが・・・・・。
また、この製品の動作を少しでも知っていれば、作業確認後の動作確認時におかしいと気付くレベルですし、調整も正常に行えませんので、作業後の調整も行っていないのだと思います。
オーバーホール時に正常な場所に新しい電解コンデンサを実装しています。
オーバーホール後の駆動波形と整流回路出力波形、電源回路の+32Vラインの波形です。




電解コンデンサの実装ミスは、もう1カ所有りました。今度は極性が反対に実装されています。

少し分かり難いですが、基板のマイナス表示にプラス側が入っています。
オーバーホール時に正常な極性で新しい電解コンデンサを実装しています。

電解コンデンサの実装で、気になる事が有りました。取り付ける時のリード線の処理です。
直径の小さいコンデンサを実装すると、リード線のピッチと基板の穴ピッチが合わず、リード線を曲げないと実装出来ませんが、今回は部品の根元から角度を付けて実装されていました。その様子です。

この様な実装を行うと、電解液が漏れやすく、部品の寿命を短くするとコンデンサ製造元の資料を見た事が有ります。当店での実装方法です。

手間と時間が掛かりますが、リード線のフォーミングを行い、部品に無理な力が加わらないようにしています。事実、今回の製品から取り外した小径の電解コンデンサは、容量が1/3以下になっている物が多く有りました。

コントロールユニット側のStart/Stopボタンに引っ掛かりが有って、通常の操作が出来なくなっていました。ボタンの取り付け位置がずれています。
オーバーホール時にこの部分まで分解・清掃を行いますので、その時に正常な位置に取り付けています。

各回路基板の半田付けが完全な盛り半田になっています。場所によっては、半田が完全に酸化して光沢の無い灰色になり、表面がボロボロになっています。要するにイモ半田状態です。回路基板の半田面の1部分です。

前回のメンテナンスを行ったお店のホームページを見ると、半田付けの修正を行っているとの記事が有りますが、部分的に、元の半田が見える所が有りますので、既存の半田の上から新しい半田を乗せているだけの様に見えます。これを修正と言って良いのか、私は疑問に思います。
異種半田を混ぜるのはタブーだと思っています。また、経年劣化している半田に新しい半田を乗せるのは、経験的にやってはいけない事だと思います。半田が非常に割れ易くなり、短期間で不具合が発生します。実際に、今回の製品の回路基板に少し加振すると、表示が消えたり回転が止まったりスタートボタンを押していないのに回転を始めたりと、色々な不具合が発生していました。
オーバーホールを実施した後は、この様な不具合は発生していません。
当店では既存の半田を出来るだけ吸い取り、再度半田付けを行います。手間と時間がかかりますが、信頼性を考えると、ここまでやって初めて半田付け修正と言えるのではと考えています。
当店で実施した半田付け修正の後です。

スピンドルの軸と軸受に、細かい傷が多量に発生していました。
潤滑にモリブデングリスが使用されていましたが、これが原因で多量の傷が発生します。
SP-10シリーズのメンテナンスを始めた当初、潤滑に何を使用するのが良いか試した事が有ります。勿論、モリブデングリスも試しましたが、短時間で傷が発生しましたので、使用は止めた経歴が有ります。
また、SP-10mk3の下部軸受には樹脂が使用されています。モリブデングリスはこの樹脂を変質させる可能性が有ります。今回は表面のかなり薄い部分が変色していましたので、この部分を磨いています。
軸と軸受は研磨を行い、傷の凸部分を無くしています。

オーバーホールでの劣化部品交換後、モーター駆動信号にノイズが混入し、回転ムラが発生していました。ドライブ回路基板の駆動用ICと12Vと5Vの3端子レギュレータを交換する事で解決しています。

オーバーホールが完了してエージング後、出荷前の確認で回転ムラが発生しました。プラッタが1回転する間に1カ所で回転数が若干落ちます。
オーバーホール完了直後は、回転ムラは0.012%程度で安定していましたが、回転数が落ちた時に0.05%程度まで悪化しています。
この不具合の解消には時間が非常にかかってしまいました。
コントロールユニットを予備の物と交換しても改善しませんし、プラッタを交換しても若干良くなる程度で不具合解消には至りません。
試行錯誤している時に、測定器やエアコン、換気扇等の電源を切り、帰路につこうとした時に何気なくプラッタを回したところ、微かに何かが擦れる音が聞こえました。プラッタを取り外し、モーターユニットとFGユニットを取り外してスピンドルだけの状態にすると音は消えます。FGユニットを取り付けても音はしません。モーターユニットを取り付けると音がする様になります。
ここで考えられるのは、PGコアだけです。PGコアは3セット有りますが、この内の1セットだけ信号が若干違います。コイルのインダクタンスには問題が有りません。
対応するPGコアを目視で確認しましたが、特にこれと言った不具合は確認できません。
オーバーホール実施時にモーターユニットを組んであるナットが何故か少し緩んでいたので、増し締めを行いました。モーター回転時に正常時には考えられない振動していましたので、それが原因だと思います。
考え難い事ですが、この増し締め時に、僅かにコアに力が掛かり、エージング中に変形したのかも知れません。該当するコアを少し削る事で、不具合が解消しています。

気になる事が有ります。回路基板のコーティングについてです。
今回の製品の回路基板半田付け修正時に気が付いたのですが、前回のメンテナンスを行ったお店のホームページには、回路基板洗浄後にコーティング液を塗布すると書かれています。本当にコーティング液なのかと思ったのです。
半田を吸い取る時には半田吸い取り機を使用しますが、吸い取りパイプの詰まりが頻繁に発生しました。吸い取った後のランドの周辺に、焦げた様な跡が残ります。
余りに半田吸い取り機の詰まりが多いので、一度洗浄を行いました。洗浄液はフラックスを除去する物です。洗浄すると、いとも簡単に基板の表面のコーティングが溶けて無くなり、洗浄液にはフラックスを洗浄した時と同じ様な粘りと臭いが残ります。ひょっとしてフラックスをコーティング液として使用されてるのかなと思った次第です。
もしそうであれば、通常のフラックスは水分を含み易いのでショートの可能性が高くなり危険です。
この件は確証が得られませんので、間違っているかも知れません。その場合には、誠に申し訳ございません。
当店で使用しているコーティング液では、その様な事は起こらず、乾燥後にはフラックス洗浄液では簡単には取れません。

今回のメンテナンスは、以前実施されたメンテナンスの手直しの様なものだと思います。
前にメンテナンスを実施されたお店は、色々な製品を手掛けておられますが、その為に、当製品に関する知識と経験が少ないのではないかと思います。ただ、メンテナンスに必要な基礎知識や技能は、電解コンデンサの実装内容や半田付けの状態を見ると、?だと思います。オーナー様の事を考えているのであれば、このレベルのメンテナンスは私には出来ません。
当店でメンテナンスを実施すると、100%壊れなくなるかと言われれば、NOと答えます。使用した部品や交換されていない部品が絶対に壊れないという保証は無いからです。ただ、前回メンテナンスを行われたお店のような、無責任な作業は行いません。

今回のオーバーホールにて、今後長期に渡り安定動作する様になります。また、各回路が正常に動作しますので、この製品が持っている性能が発揮出来ます。製品を活かすも殺すも、オーナー様次第です。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話は対応できない時が多いので、メールにてご連絡を頂ければと思います。
電話:08636-3-0808
メール:vintageaudio@csis.jp
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