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2017-07

KENWOOD (ケンウッド) L-07D 修理・オーバーホール S:00900250


KENWOOD (ケンウッド) L-07Dの修理にてお預かりしました。

症状
・電源ON後、暫くして高速回転する

所見
・各電子部品の劣化

処置
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  タンタルコンデンサ全数交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  OPアンプ6個交換
  ヒューズ全数交換
  スパークキラー交換
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  機構部クリーニング、注油
  電気調整
  24時間以上のエージング後、動作チェック
・水晶発振子交換
・本体モーター部、非純正ワッシャ取り外し

各電子部品の劣化により、コントロールユニット内の温度が上昇するとサーボが外れて高速回転していました。
コンデンサ類の他、OPアンプも劣化が認められましたので、新品に交換しています。

モーターユニット内に、純正では取り付けられていないワッシャが取り付けられていました。
中には、アルミニウム板から削り出している物も有ります。
そのワッシャです。

この製品のモーターは、コアレスモーターが使用されています。プリント基板上に何層かのコイルが平面上に取り付けられています。
モーター巻線を観察すると、所々に出っ張りが確認できました。巻線の角の部分に集中していますので、巻線に何らかの衝撃が加えられて、その部分が盛り上がったのだと思います。
ワッシャを取り外して、再度組み立てると、その盛り上がった部分に回転子のマグネットが接触して、異音が発生しています。その接触を避ける為にワッシャを入れたのでしょう。
ワッシャを入れると、その厚み分、コイルとマグネットの隙間が広がります。そうなると、モーター本来の回転トルクが発揮されません。
巻線の盛り上がった部分を慎重に元に戻し、ワッシャが無くても巻線とマグネットが接触しないように修正しています。

この頃の製品は、配線にワイヤーラッピングが導入されています。このワイヤーラッピング、組立時の作業性は良いのですが、生産後、長期間の年月を経ると接触不良を起こす時が有ります。その為、ラッピングされた配線に半田を流して接触を確実にするのですが、今回の製品は、ラッピングされる端子に錆が発生し、半田が乗りませんでした。
少し見難いですが、その様子です。

このままでは確実な配線が出来ませんので、表面を磨き、ハンダメッキを施しています。

部品交換と半田付け修正が終わり、仮組立を行って仮調整を実施中、突然サーボが掛からなくなりました。定速回転中での出来事です。突然どの回転数でも高速回転します。信号へのノイズの混入も有りません。
まさかと思いながらクロック信号を確認すると、信号が有りません。水晶発振回路を確認すると、水晶発振子が発信していません。オーバーホール前のサーボが外れる時には、正常に発信していました。正しく突然死です。
この水晶発振子は在庫していませんので発注し、お客様に理由をお話して入荷するまでお待ち頂く事になりました。
お客様にお返しした後に発生した事を考えると、メンテナンス作業中に発生したのは幸運でした。

今回は、水晶発振子の突然の不具合発生が有りましたが、オーバーホールとモーター巻線の修正で問題無く動作する様になりました。
見た目は問題が無い様でも、生産後、かなりの年月が経過していますので、電子部品の劣化は避けられませんから、何らかの問題を抱えています。
早期のオーバーホール実施で、この製品の性能を安定して引き出す事が出来ます。製品を活かすも殺すも、オーナー様次第です。

KENWOOD L-07Dが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話は対応できない時が多いので、メールにてご連絡を頂ければと思います。
電話:0863-53-9922
メール:vintageaudio@csis.jp
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Technics (テクニクス) SP-15 修理・オーバーホール S:DA5417E017


Technics (テクニクス) SP-15の修理にてお預かりしました。

症状
・時々高速回転

所見
・DDモーター部半田付け劣化
・各電子部品劣化

処置
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  タンタルコンデンサ全数フィルムコンデンサに交換
  操作用タクティールスイッチ全数交換
  ドライブ回路基板トランジスタ1個、ダイオード1個交換
  ロジック回路基板チェナーダイオード1個交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  各回路基板接続用コネクタ交換
  ヒューズ交換
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油
  電気調整、機械調整
  24時間以上のエージング後、動作確認

各回路基板に軽いショックを与えると、高速回転したり定速回転したりしています。
特にDDモーター部の回路基板を加振した時に、顕著に症状が発生します。
この製品には良く有る症状で、プラッタの回転数を検出するFGコイルの接続部の半田付けが劣化し、接触不良を起こしています。
オーバーホール時に半田付けの修正を行いますので、同時にこの接続部分の半田付け修正を行っています。
この半田付け修正、現存する劣化した半田の上から新しい半田を乗せても、半田付けの状態が悪くなっても良くなる事は有りません。異種半田が混ざり合いますので、見た目は半田が乗っていても、半田付け不良が早期に発生します。手間は掛かりますが、当店では劣化した半田を出来るだけ綺麗に取り除いた後、再度半田付けを行います。
時には、部品のリード線の劣化が進んで、リード線本体とメッキが剥離している事が有ります。この場合には、半田が綺麗に乗りません。古い半田を吸い取らないと、この様な事は判りませんので、半田付け修正は、信頼性を考えると、古い半田の上に新しい半田を盛るのはご法度です。

今回は、オーバーホールのみで問題無く動作する様になりました。
見た目は問題が無い様でも、生産後、かなりの年月が経過していますので、電子部品の劣化は避けられませんから、何らかの問題を抱えています。
早期のオーバーホール実施で、この製品の性能を安定して引き出す事が出来ます。製品を活かすも殺すも、オーナー様次第です。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話は対応できない時が多いので、メールにてご連絡を頂ければと思います。
電話:0863-53-9922
メール:vintageaudio@csis.jp
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Technics (テクニクス) SP-10mk3 修理・オーバーホール S:DK2301C072


Technics (テクニクス) SP-10mk3の修理にてお預かりしました。

症状
・電源は入るが回転スタートしない

所見
・各電子部品劣化

処置
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  高分子電解コンデンサをフィルムコンデンサに交換
  無極性電解コンデンサを一部フィルムコンデンサに交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  リレー交換(半導体リレー使用)
  ヒューズ全数交換
  制御回路用電源回路整流用ダイオードブリッジ交換
  3端子レギュレータ全数交換
  電源オペレーション回路基板トランジスタ1個交換
  電源オペレーション回路基板抵抗器2個交換
  ダイオード3個交換
  裏付け部品半田面から部品面に移設
  ストロボ、ソレノイド用電源トランジスタ交換、ヒートシンクに移設
  各回路基板洗浄、防湿コーティング
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  機構部洗浄、注油
  機械調整
  電気調整
  24時間以上のエージング後動作チェック

制御回路用電源が正常に供給されていない為、回転がスタートしていませんでした。
電源を入れると、回転数やピッチコントロールのLEDは点灯しますが、スタートさせると高速で点滅しています。制御用電源回路の整流出力を観測すると、リップルが非常に大きく、ブリッジ整流が半波整流になっています。
整流回路の周辺は、この様な状態でした。

電解コンデンサのリード線が酸化し、周辺のジャンパー線にも、所々緑青が浮いています。また、2個の抵抗器のリード線が酸化していましたので、交換しています。
整流回路の出力を測定すると、この様になっています。

リップルが非常に大きくなっているのがお解り頂けると思います。整流用のブリッジダイオードの一部が壊れている事と、電解コンデンサの容量抜けが原因です。
定電圧回路を通過した後の波形です。上が+5V、下が+12Vです。


こうなると、直流とは言えませんね。これでは、各回路が正常に働く事は出来ません。
オーバーホールを実施した後の各波形です。
上から、整流後、定電圧回路通過後の+5V、同じく+12Vです。



オーバーホール後は、整流後のリップルが通常に戻り、半波整流になっていたものがブリッジ整流に戻っています。また、定電圧回路を通過した波形も、綺麗な直流になっています。
この整流回路のダイオードブリッジは、容量ギリギリの部品が使用されています。オーバーホール時に同じ容量の部品を使用すると同様の症状が予想されますので、交換するダイオードブリッジは、少し容量の大きな部品を使用しています。

今回は、オーバーホールのみで問題無く動作する様になりましたが、電源回路の問題が発生している製品は他の電子部品が壊れている可能性が高く、メンテナンス費用が上昇する事に繋がります。また、見た目は問題が無い様でも、生産後、かなりの年月が経過していますので、電子部品の劣化は避けられませんから、何らかの問題を抱えています。
早期のオーバーホール実施で、この製品の性能を安定して引き出す事が出来ます。製品を活かすも殺すも、オーナー様次第です。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話は対応できない時が多いので、メールにてご連絡を頂ければと思います。
電話:0863-53-9922
メール:vintageaudio@csis.jp
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