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2018-10

Technics (テクニクス) SP-10mk3 修理・オーバーホール DK2301C150


Technics (テクニクス) SP-10mk3の修理にてお預かりしました。

症状
・45rpm回転不安定

所見
・回転数切り替えリレー接触不良
・回転時微振動発生(モーター駆動波形異常
・スピンドル下部傷有り、下部軸受異常摩耗

処置
・スピンドル研磨
・スピンドル下部軸受交換
・ドライブ回路基板トランジスタ1個交換、ダイオード1個交換
・電源回路基板トランジスタ1個交換、抵抗器2個交換、ショートジャンパー線1個交換
・コントロール回路基板回路パターン修正(3箇所)
・各操作スイッチ交換(電源スイッチ、本体スタートストップスイッチ除く)
・ヒューズ回路基板配線用スタッド全数交換
・本体トランジスタ3個交換、ダイオード2個交換
・オーバーホール
 電解コンデンサ全数交換
 フィルムコンデンサ全数交換
 高分子電解コンデンサをフィルムコンデンサに全数交換
 無極性電解コンデンサの1部をフィルムコンデンサに交換
 調整用半固定抵抗器全数交換
 回転数切り替えリレー電子スイッチに全数交換
 制御用電源回路ダイオードブリッジ交換
 各回路基板はんだ付け全箇所吸い取り、再はんだ付け
 各回路基板クリーニング、防湿コーティング
 電源用3端子レギュレータ全数交換
 ヒューズ全数交換
 裏付け部品を部品面に移動
 機構部クリーニング、注油
 機械調整
 電気調整
 48時間以上のエージング後、動作確認

回転中にサーボのサンプリング位置が加振にて変動していました。特に45rpm時が酷く、サーボが外れる時も有ります。
サンプリングの時定数を切り替えるリレーに接触不良が発生し、今回の不具合が発生していました。オーバーホール時に電子リレーに交換しています。

モーター駆動波形が歪み、回転時に微振動が発生していました。その様子です。



上から33rpm、45rpm、78rpmです。何れもパルス状のノイズが混入しています。
オーバーホール後の波形です。同じく上から33rpm、45rpm、78rpmです。



何れもパルス状のノイズが激減しています。同時に、回転時の微振動も治まっています。

スピンドルの先端に傷が入り、軸受も表面が荒れて窪みが大きく拡大しています。


このままではスピンドル先端の摩耗が進み、正常な回転が出来なくなる可能性が非常に高い為、スピンドル軸先端の研磨とスピンドル軸受の交換を行っています。
研磨後のスピンドル先端です。

電源回路基板の一部で、抵抗器とジャンパー線に酸化が認められました。

本製品は、以前に他店で電解コンデンサの全数交換が実施されていました。この部分には、チューブラー型の電解コンデンサが実装されていて、これを接着剤で固定されています。その接着剤が金属の酸化を起こします。接着剤を除去された跡が有りますので、この部分まで接着剤が流れていたのでしょう。
ジャンパー線と抵抗器2個を交換しています。

各操作スイッチに接触不良が認められましたので、本体スタート・ストップスイッチ以外のスイッチを全数交換しています。

ヒューズ回路基板の配線には、ラッピング法が使用されています。ラッピングされた配線材に半田が綺麗に流されていましたが、ラッピング用のスタッド表面に酸化膜が発生していて、完全な半田付けになっていません。今回は、ラッピング用スタッドを半田付け用のスタッドに交換し、配線材を半田付けしています。

出荷前に最終チェックとクリーニングを行いますが、今回、このクリーニングで一波乱(?)有りました。
本体をクリーニングする際には、薬剤を含ませた布で噴き上げるのですが、クリーニング前後で表面の色が若干変わりました。
SP-10mk3の本体表面は、艶が有る物と少しつや消しになっている物が混在しています。入荷時には艶消しの状態でしたが、クリーニング後は艶が出ています。同時に、傷が見えてきました。
今回の製品は、何度か譲渡されていましたので、どの段階か不明ですが傷隠しの為に塗装を行ったのだと思います。
最初に見た時には、微妙に色が違うなとは思っていたのですが、経年変化で変色すた個体も有りますので、この個体を見た時にもそう思っていました。
クリーニングを実施すると、その部分から色が変わって行きましたので、おかしい事に気付き、他のSP-10mk3を3台並べて見比べましたが、クリーニング後の色が正解でしたので、全体のクリーニングを行いました。艶有りの個体だったのですね。上手な塗装で、すっかり騙されてしまいました。面目有りません。また、こんな事も有るんだなと、良い勉強になりました。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話:0863-53-9922
メール:vintageaudio@csis.jp
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Technics (テクニクス) SP-10mk2 修理・オーバーホール S:DA7L02D002


Technics (テクニクス) SP-10mk2の修理にてお預かりしました。

症状
・高速回転

所見
・FGコイル配線切断
・各電子部品劣化
・各操作スイッチ接触不良発生

処置
・FGコイル巻き直し
・ゲルマニウムダイオード全数ショットキーバリアダイオードに交換
・制御回路基板チェナーダイオード1個交換
・チューブ内のリード線クリーニング、チューブ交換、リード線の腐食が進んでいた部品交換
・各操作スイッチ全数交換
・論理回路基板回路パターン補修
・駆動回路基板トランジスタ3個交換
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  中継回路基板裏付け抵抗器交換(3個)
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油
  機械調整
  電気調整
  48時間以上のエージング後、動作確認

FGコイルの線材が切断され、プラッタの回転情報が制御回路に入力されていない為、プラッタが高速回転していました。
この症状は、当製品では良く有る症例です。モーター駆動信号にノイズが混入し、モーターが微振動を起こしてコイルボビンの入線部で配線材が切断されます。
ただ、今回はこの微振動の様子が少し違っていました。
FGコイルを巻き直して実装し動作を確認するのですが、この時の回転ムラが大きく、0.1%程度有り、尚且つ微振動も発生しています。
モーター駆動信号を測定すると、電圧・波形共に各相でばらつきが大きく、変動しています。
分解時に不安要素が有りました。PGからモーター駆動信号を作るダイオードのリード線に、緑青らしき物が発生していました。そのダイオードを取り外した状態です。

このダイオードのVF値を測定すると、0.5Vから1.2Vとゲルマニウムダイオードとしては高い数値で、交換が必要です。
このダイオード、0A90が使用されていますが、今では入手が非常に難しくなっています。互換品として1N60を購入して測定すると、VF値が良くて0.4V程度、悪い物になると1.5V程度になっています。このダイオードも生産終了品ですので、劣化が始まっているのでしょうか。
これでは交換する意味が全く有りませんので、今現在生産されているショットキーバリアダイオードを入手し、VF値を測定すると、0.3V~0.4V付近で安定しています。
ゲルマニウム系からシリコン系への変更はあまり気が進まないのですが、他のゲルマニウムダイオードを探す手間を考えると、お客様を余計にお待たせする事になりますので、ショットキーバリアダイオードに交換して、オーバーホール作業を実施します。念の為、他のゲルマニウムダイオードを測定すると、同じ様な状態でしたので、全てのゲルマニウムダイオードをショットキーバリアダイオードに交換しています。
また、当製品はロットによってダイオード類のリード線にビニルチューブを被せてあります。今回の製品はビニルチューブ内のリード線に汚れが目立ちましたので、ビニルチューブを取り外してリード線をクリーニングし、腐食が進んでいる物は交換しています。取り外したビニルチューブです。

通常はもっと透明度が高いので、生産時に何らかの不手際が有ったのではないかと思います。
部品のリード線の腐食が進んでいたダイオードです。

上側が実装されていたダイオード、下が新品のダイオードです。
部品交換、回路基板のクリーニングを実施して動作確認を行います。
モーター駆動電圧の変動や電圧差は無くなり、微振動も治まっています。ゲルマニウムダイオードからショットキーバリアダイオードに交換した事による不具合も無く、回転ムラも0.01%程度で安定して動作しています。

論理回路基板上の電解コンデンサからの液漏れにより、回路パターンが破壊されていました。

凸凹になったレジストを剥がすと、この様な状態です。

取りあえずは繋がっていますが、このままでは不具合発生が確実なので、半田面にて修復を行っています。

この様な状況です。

各操作スイッチに接触不良が発生していましたので、全ての操作スイッチを交換しています。また、駆動回路基板のプリドライバトランジスタのhfeが極端に低下していましたので、3個のトランジスタを交換しています。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話:0863-53-9922
メール:vintageaudio@csis.jp
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