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Technics (テクニクス) SP-10mk3 修理・オーバーホール S:DK2906E034


Technics (テクニクス) SP-10mk3の修理にてお預かりしました。

症状
・プラッタ回転不安定
・加振にて異常動作
・プラッタ回転時すりこぎ運動
・キャビネットダストカバーヒンジ部トルク調整ネジ山破損
・回転スタート及びストップの動作が鈍い

所見
・スピンドル軸潤滑剤不適正品使用
・半田付け不良箇所有り
・各電子部品劣化

処置
・キャビネットダストカバーヒンジ部トルク調整ネジ山 プレスナットにて修復
・スピンドル修復(傷取り、プラッタ搭載部クリーニング)
・スピンドル軸受傷取り 下部軸受交換
・プラッタスピンドル取付部クリーニング
・ヒューズ回路基板配線半田付け手直し
・各操作スイッチ全数交換
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換
  高分子電解コンデンサをフィルムコンデンサに交換
  (通常の電解コンデンサに交換されていた)
  無極性電解コンデンサを一部フィルムコンデンサに交換
  フィルムコンデンサ全数交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  リレー交換(半導体リレー使用)
  ヒューズ全数交換
  制御回路用電源回路整流用ダイオードブリッジ交換
  3端子レギュレータ全数交換
  電源オペレーション回路基板トランジスタ1個交換
  各回路基板洗浄、防湿コーティング
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  ストロボ、ソレノイド用電源トランジスタ交換、ヒートシンクに移設
  機構部洗浄、注油
  機械調整
  24時間以上のエージング後動作チェック

某修理工房さんが、2010年1月9日にメンテナンスを実施された製品です。

梱包を解き、動作確認の為に作業台に置きます。
最初にチェックするのは、スピンドルの回転状態ですが、ここで躓きました。
回転が非常に重く、回転方向には何とか回りますが、上下方向には全く動きません。
プラッタを載せると、何とか回転しますので、動作チェックを行います。

電源を入れると、一瞬表示が点灯し、トランス1次側のヒューズが切れました。
ヒューズ回路基板から電源回路基板への配線を外しても、元気良くヒューズが飛びます。
コントロールユニットを分解し、各回路基板をクリーニングすると、この現象は無くなりました。
回路基板の写真は、クリーニング前の状態で撮影しています。

クリーニングした時のクリーニング液の状況です。
上が新品、下が回路基板2枚をクリーニングした後の状態です。


普通でしたら、本体も含めた全ての回路基板をクリーニングしても、ここまでは変色しません。
コーティング剤に何を使用されているのでしょうか?
因みに、当店で使用しているコーティング剤とクリーニング液です。

回路基板をクリーニングし、再組立を行って動作チェックです。
スピンドルの回転が重い為、サーボが全く安定しません。
通常であれば、ここで各調整値を確認するのですが、この様な状態では実施出来ません。
取り敢えず、モーター駆動信号だけ確認しました。
上から、33rpm、45rpm、78rpmです。



少しいびつな感じは有りますが、非常に悪い様には見えません。電圧には異常を感じます。
オーバーホール後の波形です。同じく上から、33rpm、45rpm、78rpmです。



少しきれいな波形になっていますが、電圧の表示を見て下さい。
オーバーホール前はフルスケール20V,オーバーホール後はフルスケール10Vです。
約2倍の電圧で駆動されていたのですね。電力で考えると、単純計算では4倍です。
メンテナンス実施時に、駆動系と電源系の半導体を確認しましたが、1個のトランジスタでhfeの低下が見られましたので交換しています。

この原因は、前回のメンテナンス時に有ります。
この製品のスピンドルを潤滑しているのはオイルです。これは、設計者が何回も試作を行い、熟考されて決定した事です。
これを、前回のメンテナンス作業者は、モリブデングリスに入れ替えています。重いプラッタにはオイルでは駄目!という理由です。
結果、8年弱で機械的に使い物にならなくなる寸前まで劣化していました。
この製品には、普通、モリブデングリスは使用しません。

通常、スピンドル軸を軸受から取り外す時は、下側の軸受を取り外し、上下方向のストッパ金具を取り外すと、スルスルと軸が抜けます。今回は、人力では抜けませんでした。プレス機を使って、オイルを注油しながらゆっくりと抜いています。
軸も軸受も擦り傷が多量に入っていました。その様子です。



どの部分も、かなり深い傷が入っています。クリーニング後、オイルを充填して回転させてみましたが、普通よりも回転が重く、ジョリジョリといった感触が伝わって来ます。
このままでは使用できませんので、研磨を行っています。ただ、傷をキレイに取り去ると、軸と軸受のクリアランスが過大になりすぎますので、傷の凸の部分を研磨します。表面の傷は残っていますが、引っ掛かりは無くなり、スムースに回転しています。本当は鏡面まで仕上げたいのですが・・・


スピンドル下部軸受の状態です。

グリスを取り除くと、軸との当たり面が抉り取られ、面荒れを起こしています。

この部分も、このままでは使用出来ませんので、当店オリジナル品と交換しています。色は違いますが、純正品と同等の性能です。

半田付けの状態や部品実装状態、当店の交換対象部品の未交換等で、オーバーホールを実施しています。
半田付けの状態は、以前の物と変わり有りません。どの回路基板も加振にて異常動作をしています。当店でのオーバーホール後は、この様な事は発生していません。

プラッタ回転時、2mm程度すりこぎ運動をしていました。プラッタのスピンドル接続部にアルミニウムの破片の様な異物が付着していましたのでそれを取り除き、クリーニングと研磨を行っています。
上から、クリーニング前、クリーニング後です。


このクリーニングにより、プラッタのすりこぎ運動は無くなっています。

蛇足ですが、この半田付けは危ないなと思った部分を紹介します。


今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話:0863-53-9922
メール:vintageaudio@csis.jp
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