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Technics (テクニクス) SP-10mk3 修理・オーバーホール S:NE0AF10003


Technics (テクニクス) SP-10mk3の修理にてお預かりしました。
今回は、回転中に突然停止する・回転停止に時間がかかる・停止時に逆回転するとの症状です。

所見
・各電子部品の劣化
・スピンドル下部軸受破損
・機械ブレーキ調整甘い

処置
・スピンドル下部軸受交換
・電源コード接続部手直し
・オーバーホール
  電解コンデンサ全数交換(高分子電解コンデンサはフィルムコンデンサに交換)
  フィルムコンデンサ全数交換
  3端子レギュレータ全数交換
  制御回路用電源回路ダイオードブリッジ交換
  調整用半固定抵抗器全数交換
  ヒューズ全数交換
  リレー全数交換(電子リレー使用)
  小信号トランジスタ12個交換
  コントロールユニット側スタート・ストップスイッチ交換
  各回路基板半田付け全箇所吸い取り、再半田付け
  各回路基板クリーニング、防湿コーティング
  機構部クリーニング、注油
  電気調整
  機械調整
  24時間以上のエージング後動作確認

各電子部品の劣化と、機械ブレーキ用のソレノイドの取り付け位置が通常と違う位置に調整されていました。

制御回路用電源の整流回路に使われているダイオードブリッジの内部で、ダイオード素子が2個壊れていて、半波整流になっていました。それに加え、平滑用電解コンデンサの劣化が有り、制御回路用電源が正常に供給されていませんでした。
制御用電源回路の清流出力波形です。上がオーバーホール前、下がオーバーホール後です。


時間軸、電圧軸共に同じですので、オーバーホール前後の違いが見て取れると思います。
+5Vラインはあまり影響を受けませんが、+12Vラインはかなり影響を受けています。
その様子です。

リップルの谷の部分で、電圧降下しているのが分かります。
大した電圧降下ではありませんが、この測定はケースを外した状態で行っています。ケーシングされた状態で使用していると、内部は冬場でも40度を超える事が有りますので、この電圧降下は、もっと酷い状態になっていると思われます。
オーバーホール後は、24時間以上の連続運転でも異常は見られません。

回路基板のハンダを吸い取る時に、トランジスタの簡易特性チェックとリード線の状態の確認を行うのですが、通常であれば全く問題は無く、そのまま同じ場所にきっちりと実装するのですが、今回はhfeの低下やリニアリティの劣化が認められた物が12個有りました。このトランジスタは新品に交換しています。

スピンドルの下部軸受が割れていました。この様な状態です。

割れた状態で使用されていましたので、摩耗も進んでいます。
この様な状態でも、回転ムラは、0.015%に入っていましたので驚きです。
この軸受を当店オリジナルの部品と交換し、スピンドルの軸受接触部に少し傷が有りましたので、研磨を行い、傷を無くしています。
オーバーホール後に回転ムラを測定するのですが、33rpmで0.001%、45rpmで0.0008%、78rpmで0.0004%でした。(FG直読法、RMS値)
測定限界ギリギリですね。測定方法を間違えたかと思い、再測定を行いましたが、結果は変わりません。誤差を考えても、ここまで良いのは初めてです。個体差だと思いますが、こんな特性の製品も有るのですね。

機械ブレーキソレノイドの取り付け位置が悪く、機械ブレーキが正常に機能していませんでした。
通常であれば、停止スイッチを押したタイミングとほぼ同時に停止しますが、今回は、2秒弱程度回転します。時には、45度程度逆回転します。
電子ブレーキのかけ過ぎと、機械ブレーキの調整が甘い時に、この様な現象が発生します。
ブレーキソレノイドが通常よりもかなりプランジャーの動作範囲を狭める位置にずれて取り付けられています。このままでは、いくら調整しても、機械ブレーキはしっかりと効きません。
プランジャーの動作範囲を広げる位置にソレノイドを取り付け、電子ブレーキの効きを正常になる様に調整した後、機械ブレーキの調整を行っています。これにより、正常に停止する様になりました。
ただ、何故この位置にソレノイドを固定したのでしょうか。ネジの跡も、この場所だけに付いています。
多分、ロットにより違いが有るのだと思います。今回と同じ位置にソレノイドが固定されている事が、今までに何回か有りました。
工場出荷時には正常に動作していたと思います。ブレーキシューの経年変化でブレーキの効きが悪化したのでしょうか。ただ、今回と同じ作業を行うと、正常に戻ります。
本製品の不思議の一つです。

今回のメンテナンスにて、今後長期間安定してこの製品の性能を発揮するでしょう。

当店ではSP-10シリーズの安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、SP-10シリーズが故障してお困りの方やどうも調子が悪いとお感じの方、今後長期間ご使用されたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話:0863-53-9922
メール:vintageaudio@csis.jp
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